あ「あのころ」
2012.01.29 Sunday 00:50
「あのころ」と言われて思い出すのはいつのことだろう?
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そんなことを考えた。ほんの数日前。
打ち合わせの最中に、そんな話題になったのだ。
いろいろな話題の中、ふと、「物語」は、過去との対峙だなと思った。
どんなシチュエーションの物語にも、登場人物が全て生まれたばかりの赤ん坊でも無い限り、誰しも過去を抱えて今を過ごしている。だから、どんな物語も過去を無視することは出来ないのだ。と。
どの時間を切り取っても、過去は付いてくる。
ちょうど最近書きあげた「サルマ」という脚本も、過去と現在の話だ。
僕にとっての「あのころ」は、「幼稚園に入る前のある日」かもしれない。
当時、僕は庭の広い家に住んでいた。いや。と言うよりも、空き地に隣接した家に住んでいた。というのが正しいのかもしれない。正確にはわからないが、僕の家自体は小さく、庭と呼んでいたスペースも、雑草の多い、砂利だらけの場所だった。
バッタや蝶を追いかけて、草のツンとした匂いの中で、僕はよく寝転がっていた。
それで、もちろん怒られていた。僕の服の洗濯は、さぞ大変だったと思う。
ある日、そんなスペースに雪が積もった。
鹿児島にはあまり雪が降らない。
北部や、山間部には降るけれど、平地には殆んど降らず、ましてや積もることなんて無いのだ。だから、あれは、たぶん、僕にとっての初めての雪だったのだと思う。
外に出る。鼻が痛くなる。
でも、「今、自分はとってもきれいな空気を吸っているんだ。」と、そんな気持ちになったのをよく覚えている。
足跡をつける。
足の裏にシャキシャキとした心地よい反発を感じる。
足跡は次第に歩幅を広げて、たまに細かくなって、たまに曲がって、たまに蛇行して、たまに逆方向を向いたりする。それはどんどん伸びて、やがて道になる。
振り返ると戻るのがもったいなくなった。
そして、僕は動けなくなった。
ただ、ぼけぇ〜っと自分の道を見ていた。
長い、細い道の途中。それは逆方向を向いた地点。
そこで、誰かと誰かが出会ったように見える。
それをなんだかわからないけれど、満足そうに見ていた。
そんな記憶が「あのころ」と言われたときに浮かんできた。
それはたまたまなんだけど。
ちょうど先日、東京にも雪が積もった。
深夜、たまたま外を歩く機会があって、僕の目の前には、真っ白な広場があった。僕は記憶をたどって、「あのころ」と全く同じ(ような)足跡を作ってみた。
あの頃よりはだいぶ大きな足跡だったけど、歩幅を変え、蛇行して、向きを変えた足跡をぼけぇ〜と見た。
やはり、そこには一つの出会いがあって、出会った2人がいた。
そして、それを満足そうに見ている自分がいた。
ふふん。
あ「あのころ」。了
★公演情報★
Dobro シアターボックス
「サルマ」
日時:2012年2月5日(日)
会場:Dobroシアターボックス(東京・京橋)
開演:15時30分(15時00分開場)
出演:高田裕司・鬼塚俊秀
チケット
(デザート&ドリンク付)
前売り3,000円・当日3,350円
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〜その後〜
とくお組「クッキングVol.3」
3月3日@北沢タウンホール
とくお組第18回公演「深夜の市長」
3月29日〜4月1日@三軒茶屋シアタートラム
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